サンゴのコロセウム

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戦闘遭遇:サンゴのコロセウム

この戦闘遭遇は、2Lvキャラクターのパーティ用にバランスがとれているが、より高いレベルのパーティで挑戦するために調整することができる。

サフアグンは、サルマーシュのような海辺の町では、海の真の主人として恐れられている。数え切れないほどのサフアグン男爵がアズール海の岩だらけの海岸に点在しており、キャラクターたちはレイザーファング男爵という強大なサフアグンの手中に落ちる。

キャラクターたちが捕まってしまったのは『今週の遭遇:シャークフィン号の難破』で技能チャレンジに失敗した結果かもしれないし、あるいは単に鎖につながれた状態で冒険を開始するのかもしれない。レイザーファング男爵は、彼が所有する動物園で水棲生物と囚人たちを戦わせ、そうして囚人たちが死んでいくのを見るのが大好きである。一方で、戦いに勝利した囚人に対しては寛大な処置を取る。彼のサンゴのコロセウムに勝つことができた者は自由になることが許されている。

サフアグンのNPC

キャラクターたちが2レベルより高い場合、モンスター・マニュアルでみられる標準のものよりも強いサフアグンに遭遇することがある。これらのサフアグンは、古強者剣闘士のようなNPCステータス・ブロックを使用するが、サフアグンの血の狂乱、限定された両生、およびサメテレパシーの特徴を備えている。

遭遇の要約

以下はサフアグンの地図である(ダンジョン・マスターズ・ガイドの付録Cにある地図の一部を利用している)。マップのスケールは、1スクエアが5フィートである。以下では、この棲家を構成する4つのエリアについて詳しく説明する。棲家の概要は次のとおりである。

  1. サフアグン刑務所。目覚めたキャラクターたちはここの岩に繋がれている
  2. 証明の場。キャラクターたちはその価値を証明するために、最初の敵と対戦せねばならない。 レイザーファング男爵の娯楽のため、東のコロシアムに案内される。
  3. サンゴのコロセウム。ここで、キャラクターたちはレイザーファングが飼っている水棲のペットと自由を勝ち取るチャンスをかけて戦う。
  4. 崖の出口。この通路は崖の頂上に向かって続き、勝利したチャンピオンたちを乾いた陸地に送り出す。

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特にマークがない通路は嵐の海へとつながっている。もしくは、サフアグンの棲家をもっと大きなダンジョンに拡張する場合は、あなた自身でエリアを作成するとよい。この部屋の水がある部分は深さ約2と1/2フィートで、水泳速度のないクリーチャーにとって移動困難な地形である。

遭遇のスタート

キャラクターたちが難破した場合、または海上で捕獲されたなら、次の冒頭の文を読むか、言い換えること。

目が覚めた君たちは、自分たちの下半分が泡立つ塩水に浸かっているのに気づく。手首のひもがきつく締められている。
見上げると、それぞれの手首に鉄の手錠が取り付けられている。腕は頭の上から背中の後ろに引っ張られ、手錠の鎖は背高のサンゴにつながっている。ゴツゴツしたサンゴが君たちの背中をこすり、痛みを与える。君たちは自身の武器、鎧、装備を剥ぎ取られ、びしょ濡れの地味な衣服を着ているだけだということに気づく。

そのとき、濡れた足音が廊下に響く。何かが近づいてくる。何が起きているのか?

キャラクターたちはエリア1に収監されている(下記参照)。近づいてくるクリーチャーは、刑務所の衛兵であるサフアグンサフアグンの女司祭レディー・ブラインである。女司祭は自らののどに触れ、タンズの呪文を自分に唱える。彼女は誇らしげな様子でキャラクターたちと直接会話を行い、次の情報を伝える。キャラクターたちが口出しして質問すれば、彼女は自分の知る限りのことを答える。

キャラクターたちが解放を求めたなら、衛兵はサンゴの柱から彼らの手錠を外し、彼らを試練場(エリア2)に導く。

高レベル。キャラクターたちが少なくとも5レベルであれば、彼らは1人ではなく3人のサフアグンの女司祭によって案内される。キャラクターたちが少なくとも11レベルであれば、3人のサフアグンの女司祭はサグアグンの特徴を持った魔道士である。(上記「サフアグンのNPC」参照)。

1.サフアグン刑務所

この刑務所は高さ6フィートで、露出したサーモンピンクのサンゴ礁だらけだ。何もなければ美しい光景なのかもしれないが、柱のほとんどには、戦うことができない・望まない囚人たちの塩漬けの死体が飾られている。

このプールを探索するキャラクターは、難易度13【判断力】〈知覚〉判定を行うことができる。成功すると、メイスを見つける。サフアグンの女司祭がこの部屋にいる場合、キャラクターはまず難易度16【敏捷力】〈隠密〉判定を成功させる必要がある。失敗した場合、女司祭は護衛の一人に命じて、キャラクターをプールから引き上げて道に戻させる。

高レベル。キャラクターたちが少なくとも5レベルである場合、このメイスは+1メイスである。

2.試練場

キャラクター全員が試験場へと移動すると、手錠は解かれ、クラブを与えられる。(ほとんどのキャントリップは物質要素構成要素を必要としないため、術者は装備がなくとも大半のキャントリップを唱えることが出来るのに注意すること)スペルキャスターには、物質要素なしで発動できるスペルやキャントリップを必ず確認させるようにする。

試験場では4人の一般人と2人のならず者が部屋の端に立って震えている。ならず者たちは一度は強さを証明することで武器と鎧を取り戻したが、彼らはあまりにも怖がっており、男爵の怪物に立ち向かうことができないでいる。

キャラクターたちがサフアグンの女司祭に戦う準備ができていると言ったら、彼女は召集された囚人たちに叫ぶ。

「戦え、このナメクジども!男爵から自由を勝ち取るに値する強さを証明しろ!」

サフアグンの女司祭と10人のサフアグンがこの部屋の至る所で見張りをしており、暴動を防いでいる。キャラクターが逃げようとした場合、女司祭は警告を発する。それでも逃走を試みる場合、近くにいるサフアグンが攻撃し、キャラクターを倒して服従させようとする。

イニシアチブを振れ!この戦いは表向きは敵も味方もない戦いだが、キャラクターたちがチームを組むことを選択した場合、ならず者の1人は他の者たちにチームを組むべきだと主張する。キャラクターたちは、難易度13の集団【魅力】〈ペテン〉の判定を成功させて、彼らが実際にはチームとして戦っていないと囚人たちに思わせることができる。

敗北。キャラクターたちの敵は容赦なく、キャラクターたちがここで敗れれば、完全に殺される。

成功。(他の捕虜を殺したり、たたき潰したりして)キャラクターたちが勝利した場合、サフアグンの女司祭は彼らの勝利を祝福し、男爵に会う前に小休憩を取るかどうかを尋ねる。

休憩が終わったら(あるいは、休憩を拒否したら)、彼女は衛兵に命じて、彼らの武器と鎧を隠れ家の奥深くから回収する。衛兵は特に印のない通路の1つに向かい、10分後に装備とともに戻ってくる。キャラクターたちの準備ができれば、女司祭は彼らをコロセウム(第3エリア)に案内し、男爵に声をかける。

高レベル。キャラクターたちが少なくとも5レベルであるならば、ならず者を古強者に置き換え、【魅力】〈ペテン〉判定の難易度を15に増やす。また、部屋を監視するサフアグンの護衛は古強者のステータスを使用する。

キャラクターたちが少なくとも11レベルである場合、2人のならず者は5人の剣闘士に置き換えられ、【魅力】〈ペテン〉の難易度判定は18に増加する。また、部屋を監視するサフアグンの護衛にはサフアグンの男爵のステータスを使用する。

3.サンゴのコロセウム

キャラクターたちがこの部屋に入ると、第2エリアから10人の護衛のサフアグンが付いてくる。次の文を読むか、言い換えること。

その部屋は虹色のサンゴが壁を覆い、浮遊するライトが照明になっている。
「レイザーファング男爵閣下!」 女司祭が叫び、コロッセオに入っていく。

「才覚ある囚人たちをあなた様の前にお連れいたしました。こやつらならば、あなた様の試練に打ち勝つチャンスがあると、信じております。閣下、今日は名誉ある戦いをお見せいたします!」 男爵は大きなサフアグンで、筋肉だらけの腕が余分に一対ある。彼は、部屋の南端にある巨大な巻貝の殻でできた椅子にもたれかかる。その周囲ではバチバチと火が燃えている。何人かの人間の奴隷が、男爵に水分を補給するため、数秒ごとに大量の塩水を注いでいる。男爵があなた達を見る。

「戦士か?」彼はうなる。「私には虫けらのように見えるがな、女司祭よ!所詮は、地上の虫どもか。私は情け深い。望むなら、お前たちが死ぬ前に一人1つずつ、質問に答えてやろう。」

キャラクターたちが何か質問をすれば、レイザーファング男爵はできるかぎり質問に答える。質問に答えたら、彼は4つの腕と蛇腹を持ち上げる。「もう十分だろう!さあ、私を楽しませるため、戦ってもらうぞ、地を歩くものたちよ!そやつらを水に突き落とし、獣を放て!」

警備のサフアグンは、各キャラクターの【筋力】〈運動〉または【敏捷力】〈軽業〉の判定と【筋力】〈運動〉の対抗判定を行い、成功した場合はキャラクターたちを水に突き落とす。キャラクターが抵抗するなら、サフアグンはキャラクターに向けてスピアを構え、男爵はケラケラと笑う。「すぐにひと泳ぎしたくなるさ、サル皮ども。」

キャラクターが抵抗を続けるならば、サフアグンはキャラクターを攻撃する。気絶状態となるか、海に飛び込むまで攻撃を続ける。

水。この部屋の水は12フィートの深さだ。

。2匹のハンター・シャークが北の通路から泳いでくる。男爵はそれらをサメ・テレパシーで支配しており、そのためにサメは驚くほど巧妙な戦術を使って戦う。サメたちは特定の冒険者に集まり、そのキャラクターがヒットポイント0になるまで攻撃を集中させる。

敗北。キャラクターたちが敗北すると、男爵は高笑いして手をたたき、彼らの体がサメに食べられて引き裂かれるのを見て楽しむ。ここでの敗北は死を意味する。

成功。キャラクターたちが勝利すれば、レイザーファング男爵は満足そうにうなずき、4本の腕で拍手喝采する。彼の部下たちも、それに従う。

「すばらしい!」と彼は言う。「素晴らしい戦いぶりだ。私の手元に置いておきたいくらいだ。しかし、それは絶対にできない・・・もし私がお前達をここに長く滞在させたら、私でさえ殺す方法を見つけてしまう方に賭けるぞ!」

男爵は大笑いした。やがて笑いを止めると、彼は左手をぞんざいに振る。「こやつらを開放しろ、女司祭よ。 部下ども!ワシを楽しませるために、別の難破船を見つけてこい」

そうすると、女司祭はキャラクターたちを出口(エリア4)につれていき、自由に歩くことを許可する。

高レベル。キャラクターたちが少なくとも5レベルであれば、ハンター・シャークにジャイアント・シャークが加わる。キャラクターたちが少なくとも11レベルであれば、ハンター・シャークは3体のジャイアント・シャークに置き換えられ、レイザーファング男爵(サフアグンの男爵)自身が最初のサメが殺されると戦いに参加する。

最後に、少なくとも5レベルに達したキャラクターたちが勝利すると、男爵はトライデント・オヴ・フィッシュ・コマンドをパーティの1人に投げ渡す。「君は自らがそれに値すると証明した。レイザーファングの名をもって、それを使うがよい」と彼は言う。

キャラクターたちが勝利し、少なくとも11レベルに達している場合、女司祭は密かに、男爵が使わなくなった古いおもちゃを彼らに与える:バロン・トライデント・オヴ・フィッシュ・コマンドに加えて、ワンド・オヴ・ワンダーを得る。

4.崖の出口

2体のサフアグンの女司祭と、4体のサフアグンがここで見張りをしており、囚人たちが逃げようとするとホールドパーソンや、武力でもって逃走を阻止する。この先のトンネルはらせん状になっており、地表に到達するまで約1000フィート上がる必要がある。キャラクターたちが伯爵による戦いの試練で勝利すると、警備員は彼らを自由に通す。

この部屋の真ん中には、砕けたルーンストーンがある。そこには奈落語で書かれたテキストがある。あなたはこの不吉な前兆をいかようにも使用できる。

高レベル。キャラクターたちが少なくとも5レベルである場合、部屋を監視するサフアグンには、古強者のステータスを用いる。キャラクターたちが少なくとも11レベルである場合、部屋を監視するサフアグンには、サフアグンの男爵のステータスを使用する。

結末

レイザーファング男爵の心臓部は、サルマーシュ(または、あなたが設定した港町)の北約20マイルの断崖の中に建てられた半水生の洞窟である。逃げ出すことに成功したキャラクターたちは、町に到着するまでに、長い旅をする。もう一、二度と別の遭遇を差し込むのに十分な長さである!そして、まもなく、真の冒険が『Ghosts of Saltmarsh(未訳)』で始まるのだ。