エターキャップの罠

大きいアドベンチャーの一部として

エターキャップは自然の略奪者だ。キャラクターが森に入るとき、エターキャップは暗闇と死、そして怪物を連れてくる。エターキャップはいつも8本足の群れと一緒に行動する。他にも、巨大な昆虫や暗闇を好む捕食者を連れていることもある。エターキャップと蜘蛛に支配された森は、アンダーダークのように光を失うようになり、トログロダイトやクオトア、さらにはマインド・フレイヤーさえも住むようになる。日和見主義的なドラウはこの蜘蛛の巣だらけの森に前哨基地を作り、ウッドエルフたちを怪物たちから遠ざけようとするかもしれない。

この遭遇は、上記の例のような方法で森を舞台にしたアドベンチャーとして、キャンペーンとして使うことが出来るだろう。

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隠密遭遇:エターキャップの罠

この隠密遭遇は2Lvキャラクターのパーティに適している。より高いレベルのパーティでもプレイ可能だが、その場合は近くの敵を警戒させずに攻略するのは簡単になるだろう。

かつては生命と緑に満ちていた森に、エターキャップが住み始めた。
フェアリー・ドラゴンたちを含むフェイ・クリーチャーは、かつては森の空を飛び回っていた。今や、そうしたクリーチャーは闇の中に隠れ、わずかな太陽光が蜘蛛の巣に覆われた木々から漏れる正午に食事をするだけとなった。不運なドラゴンの家族ーー数人の子供と父親ーーはエターキャップのウェブで捕らえられ、今や死を待つのみだ。
ドラゴンの父親は、幻術魔法を使って、近くで話を聞いてくれそうな誰かに呼びかけ続けている。冒険者たちは彼の呼びかけに応えるのだろうか?

遭遇の要約

キャラクターがフェアリー・ドラゴンの呼びかけに応えると、彼らは暗い、蜘蛛の巣だらけの洞窟に導かれる。
彼らはそこで、フェアリー・ドラゴンの家族がウェブに包まれているのと、この森の様々なフェイやエルフの住民から奪った宝の山を見つける。冒険者がフェアリー・ドラゴンを助けようとすると、エターキャップは床のウェブを通して彼らの存在を感知し、キャラクターに忍び寄ろうとするかもしれない。
そうでなければ、エターキャップはキャラクターがウェブを切り始めた時点で気がつく。そうして、戦いを行うのだ!

遭遇のスタート

暗い森を探検していると、キャラクターは姿の見えない人の声が彼らの心に直接語りかけてくるのを聞く。次の文を読むこと:

森はどす黒く、まるで地下のトンネルを旅しているかのようだ。交易路沿いの緑豊かな森とは大違いだ。話によれば、この森はかつてエルフや親切な妖精たちの天国だったそうだが、君たちの周りの森は半分死んだような有様で、クモの巣の厚いカーテンでいっぱいだ。

道に沿ってしばらく進んでいくと、それが見えた。それは、緑のフードの付いたローブを着た女性だった。彼女が道の真ん中に立っているのだ。

この女性は、エスティヴァルというフェアリー・ドラゴンの窮状を知ったドライアドである。彼女が取り憑いている木は、エターキャップの隠れ家の近くにある。彼女は、巨大なクモ使いの怪物がフェアリー・ドラゴンたちを隠れ家に巻きつけて運んでいるのを見た。彼女の15フィート以内に近づくと、その女性はローブを身に着けているのではなく、実際には葉やつるをつけており、皮膚には木目のような模様が浮かんでいることがわかる。

次の文を読むか言い換えること:

女はぼんやりとした緑色の目で君たちを見て、眉をひそめる。話し始める彼女の声は乾いてひび割れており、まるで何十枚もの落ち葉が一斉に踏まれる音のようだ。

「私は力と名誉あるクリーチャーに伝言を伝える任務を負っています。あなたたちならば申し分ないでしょう。蜘蛛使いがこの森にやってきて、エスティヴァルというドラゴンを捕まえました。エスティヴァルはあなたの助けを求めています。」

ドライアドは北西に向きを変え、クモの巣で覆われた森の丘の頂上を指す。

「あの場所で彼は捕らえられています。正義や、宝物への愛があるのならば、どうかエスティヴァルを救ってください。」

その後、ドライアドはゆっくりと向きを変えると、その方向に歩いていく。そうして、近くの木に手を置くと、その幹の中に消えていく。

エターキャップの洞窟

冒険者たちがドライアドの導きに従い、幻術が指示した丘を登っていけば、頂上に洞窟への入り口を見つける。
洞窟は真っ黒で、蜘蛛の巣がたばになって並んでいる。洞窟の入り口から10フィート離れたところには、内部のエターキャップが蜘蛛の巣知覚の特徴で侵入者を知覚するため配置された蜘蛛の巣の継ぎ接ぎがある。
洞穴の中に10フィート入っていったキャラクターは、難易度10【判断力】〈知覚〉判定を成功させなければ、足を蜘蛛の巣に突っ込んで拘束状態になる。助けるためには、別のクリーチャーがアクションを使用して引っ張り上げる必要がある。目が見えないクリーチャーは、この判定に自動的に失敗する。

蜘蛛の巣のネットワーク。この洞穴のすべての蜘蛛の巣は、洞穴の奥にあるエターキャップの部屋につながっている。エターキャップが蜘蛛の巣知覚の特徴で何らかのクリーチャーを知覚すると、彼はフェアリー・ドラゴンが蜘蛛の巣で縛られている部屋の屋根の上に登り、そこで、逆さまにぶら下がって、侵入者が油断するのを待つ。

高レベル。キャラクターが5Lv以上の場合、この判定の難易度は12となる。11Lv以上の場合、難易度は15となる。

フェアリー・ドラゴン

トンネルは入り口から約100フィート下に進み、その後、長さ約50フィート、幅約30フィート、高さ約30フィートの広い部屋につながる。洞窟のいたるところで、そびえ立つ石筍と滴り落ちる鍾乳石がつながって柱のようになっている。30フィートの壁のひとつは完全に絹のようなウェブで覆われて、数十のエルフ、フェイ、動物の血を流した死体が貼り付けられている。ウェブの壁の中央には5匹の色彩豊かなドラゴンがいる。それぞれが飼い猫ほどの大きさである。そのうちの4頭は明るい赤色で、1頭は輝くスカイブルー色をしている。部屋の一番奥の、別の洞窟の奥に通じるトンネルの入り口近くに、輝く宝の山がある。

青いフェアリー・ドラゴンは受動【判断力】〈知覚〉値が13であり、キャラクターがこの部屋に入ったことに気づくと、メジャー・イメージを唱え、キャラクター一人の肩に自身の幻を作り出す。幻術はささやく。「あまり大きな声は出せない。蜘蛛使いに聞こえるかもしれないからね。会いたいんだが、今はがんじがらめでね。こっちに来て話をしよう」

4頭の赤いフェアリー・ドラゴンは5歳以下の幼児で、青いフェアリードラゴンのエスティヴァルは40歳程度である。彼のうろこは藍色に染まっている。キャラクターがドラゴンの10フィート以内に来れば、彼は来てくれたことに感謝し、彼らが巻き込まれた状況を説明する。このフェアリー・ドラゴンと彼の子供たちは、大変な苦境に立たされているにもかかわらず、陽気な気持ちを失っておらず、冗談めかして話し、言葉遊びや語呂合わせを会話に混ぜる。

蜘蛛の巣を切る。フェアリー・ドラゴンは、蜘蛛の巣を破壊すれば解放される。蜘蛛の巣の各5フィート四方は、AC12、10ヒットポイント、[火]への脆弱性、[殴打][毒][精神]への完全耐性をもつ。ウェブが何らかのダメージを受けると、1d4ラウンド後にエターキャップが到着する。エターキャップがすでにこのエリアにいる場合(後述の「エターキャップの待ち伏せ」を参照)、ウェブが攻撃されるとすぐに不意打ちで攻撃をおこなう。エスティヴァルは仔ドラゴンたちに、自由になったらすぐに不可視状態に戻って逃げるよう命令するが、自分は解放されたら冒険者たちと一緒に戦うために後ろにいる。彼はユーフォリア・ブレス攻撃と、メジャーイメージの呪文を使って、キャラクターが戦う間、他の敵を寄せつけないようにする。

エターキャップの待ち伏せ。4匹のジャイアント・ウルフ・スパイダーが逆さまになって休憩しつつ、エターキャップの命令を待っている。もしエターキャップが蜘蛛の巣知覚を通じて侵入者の存在を知っていれば(あるいは、侵入者がこのエリアで大きな音を出していれば)、エターキャップは天井の上に登り、巨大な石筍の1つの後ろに隠れる。隠れたエターキャップを見つけるクリーチャーは、難易度19【判断力】〈知覚〉判定に成功しなければならない。

財宝。洞窟の端、エターキャップの部屋への通路の近くに、宝の山がある。下記の「宝」を参照。

ウェブ・ネットワーク。フェアリー・ドラゴンたちは、ウェブの壁に隣接する床10フィートの部分も蜘蛛の巣で覆われていることや、それを踏むと侵入者の存在を自動的にエターキャップに知らせてしまうことに気づいていない。この蜘蛛糸は非常に細いため、難易度16【判断力】〈知覚〉判定に成功したクリーチャーだけが、足を踏み入れる前にそれを見つけることができる。蜘蛛の巣は移動困難な地形である。

戦闘遭遇:蜘蛛の巣吊り

ウェブがダメージを受けると、エターキャップが攻撃する。隠密中ならば(上の「エターキャップ待ち伏せ」を参照)、天井から這い降りて、蜘蛛の巣吊りのアクションを使って後衛のキャラクターの1体を静かに狙う。エターキャップが降りてくると、ジャイアント・ウルフ・スパイダーは長い蜘蛛糸を伝って降りてくる。エターキャップやジャイアント・ウルフ・スパイダーが、フェアリー・ドラゴンを噛みつき攻撃で0ヒットポイントに減らすと、ドラゴンは潰されて即座に死亡する。そうでなくとも、フェアリー・ドラゴンは気絶状態になり、0ヒットポイントに減少したときに死亡する。

蜘蛛たちはエターキャップが命じたとおりに死ぬまで戦う。エターキャップは、ヒットポイントが10に減ると、キャラクターが入ってきた入り口から逃げる。可能であれば、蜘蛛の巣のアクションを使用して、追跡者の速度を落とす。

このエターキャップは次のアクションを使用できる。

高レベル。キャラクターが少なくとも5レベルであれば、ジャイアント・ウルフ・スパイダーはジャイアント・スパイダーに置き換わり、エターキャップは1体ではなく2体になる。キャラクターが少なくとも11レベルであれば、ジャイアント・ウルフ・スパイダーはジャイアント・スパイダーの形をした2体のヨコロル・デーモンに置き換えられ、エターキャップは4体になる。

勝利!

フェアリー・ドラゴンが生き残ったなら、エスティヴァルは救ってくれた感謝の気持ちとして、キャラクターの一人にヒロイズムのチャームを与える。4匹の赤いフェアリー・ドラゴンがすべて生き残ったら、彼らは力を合わせて、他の1匹のキャラクターにも暗視のチャームを与える。エスティヴァルはキャラクターに別れを告げる。ただし、あなたがこの暗いクモだらけの森で他の冒険を計画している場合は別である。その場合は、彼はこの破壊された領域に詳しく、場合によってはガイドになってくれるかもしれない。

ドラゴンたちは行く前に、エターキャップがこの森のみんなから宝と富を略奪していたことを伝える。彼は言う「僕があげるわけじゃないけど、君たちはそれをもらうに値すると思うよ」

財宝

エターキャップが略奪した宝は、500gpの金貨の山と、スリッパーズ・オヴ・スパイダー・クライミングである

高レベル。キャラクターが少なくとも5Lvであれば、財宝には花の彫刻がされたアルケミー・ジャグが含まれる。キャラクターが11Lv以上の場合、[毒]抵抗をもつ+1スタデッド・レザーアーマーも宝物に含まれる。