死への戦い

死への戦い

風は雪の積もった高くそびえる山々を吹き抜け、遠くにある山々の峰をくぐっていく。冒険者たちは雪の中を歩いている。雪の下に埋められた宝を捜索しているのか、あるいは単にこの氷の国を生き抜いているのか。鳴り響く音が嵐を切り抜ける。金属を打ちつけたような幽霊の響きだ。

今週の遭遇は「死への戦い」である。キャラクターたちは2人の苦悶に満ちた魂を恐ろしい存在から解放するチャンスがある。

設定

この遭遇は、フォーゴトン・レルムに多くある山岳地帯の冬の土地で最もよく機能する。「ソード・コースト・冒険者ガイド」に掲載された大きなソードコーストの地図にある、フェイ・ルーンの北の地域がよいだろう。アイスウィンド・デイルやミラバー北の凍てつく丘は、このような厳しい冒険には理想的な場所であろう。

「死への戦い」は、3〜5Lvのキャラクター用に設計されている。

house

遭遇の要約

コージャとダグマルという2人の戦士が、かつて訓練場だった廃墟の中で互いに戦っている。闘技場はかつて、ストームブリンガーズと呼ばれる戦士たちのグループが使用していた。このグループは、地元の村を怪物やトロルなどの脅威から守ってきた。しかし、ストームブリンガーズの集団の力でさえ、フロスト・ジャイアントによる待ち伏せをかわすには十分ではなかった。ストームブリンガーズは死んだが、コルヤとダグマルはレヴナントとなった。彼らの凍傷にかかった肉と憤怒の魂は、使命を果たさなかったために死の世界に閉じ込められた。今、彼らは過去をめぐって衝突し続けており、彼らをアンデッドに縛り付けた苦味を断ち切ることができない。

遭遇のスタート

遭遇を開始するには、次の文を読むか言い換えること。

岩の多い地形に氷が張り付き、弱い日光の光線が白く跳ね返る。雪に覆われた彫像のようにじっとした木が、その間を通るすべての人を静かに見守っている。並木の途中には小さな裂け目ができており、それを通った風が笛を吹いたり、金切り声を上げたり、露出した皮膚に突き刺さったりする。

特定のたくましいクリーチャーや人間を除いて、不屈の山で繁栄している生物はほとんどいない。古代の道路のかすかな痕跡が、雪の層の下に埋められている。難易度12の【判断力】〈生存〉判定でそれを見つけることができ、山から出る道をたどることができる。しかし、他のクリーチャーもこの道を認識しており、獲物を待ち構えている。1d4をロールして、道路での遭遇を決定すること。

山でのランダム遭遇

ロール 遭遇
1 ポーラー・ベア(ホッキョクグマ)
2 イエティ
3 インヴィジブル・ストーカー
4 エア・エレメンタル


遭遇後、受動【判断力】〈知覚〉値が12以上のキャラクタは、遠くから鉄と鉄が衝突する音が聞こえ、ルーン・ストーンのシルエットが見える。このオベリスクは、雪の広場のまんなかにある幅15フィートの円を形成する8つの立石の1つである。これらの石は両側に印がつけられている:ウルフの頭のシルエットの上に2つのクロスソードが重ね合わされている。

石の輪の向こうには木造の建物がある。かつてストームブリンガーズが住んでいた長屋である。暗い切妻屋根は、数十年分の降雪、戦闘、放置によって崩壊した。

長屋

長屋はかつてストームブリンガーズが住んでいた立派な建物だった。ドアの上の外観には、職人に彫られた大きな木のウルフの頭が取り付けられていて、ガーゴイルのように浮き上がり、その口は嵐に音を盗まれたかのように静かに吠えている。ドアが壊れていて、蝶番がぶら下がっている。そこをくぐると本堂がある。建物の一部は襲撃の際にジャイアントによって破壊され、内部は開かれている。

本堂の外には、ベッドと簡易ベッドで満たされた小さな部屋が6つある。かつて壁を飾っていた壊れた盾や剣や斧に雪が積もっている。難易度13【知力】〈捜査〉判定で成功したキャラクターは、瓦礫の中から錆びた剣やバトルアクスをいくつか発掘する。内部の火はかなり前に消えてしまったが、大きな暖炉が無傷のまま残っている。銀のシールドがその上にあり、ドワーフ語で「我らの氷の鎧は内なる火を防ぐ」という文が刻まれている。

3つの部屋は、割れた木材と倒れた木で満たされており、調査するにはあまりにもぼろぼろである。残りの3つには、それぞれ毛皮と冬物の衣類が入った棚がある。キャラクターたちは部屋を捜索し、難易度15【知力】〈捜査〉判定を成功させて、2つの呪文の巻物を見つける。1つはアイスナイフの巻物で、もう1つはスリート・ストームの巻物である。

長屋に2匹のウィンター・ウルフが住んでいる。ウルフはかつて、戦いを続けるレヴナントの相棒であった。レヴナントは定命の世界に縛られたままであるが、ウルフは彼らに縛られたままである。ウルフはキャラクターたちに向かってうなるが、挑発されない限り攻撃はしない。

wolf

ストームブリンガーズの最後

闘技場の中央には、甲冑をまとった2人のレヴナントがいる。彼らのキュイラスにはストームブリンガーズのシンボルが描かれている。これは立っている石に彫られたのと同じ、交差した剣のデザインである。

2人の戦士は互いに戦っている。それぞれがグレートソードを持ち、同じ鎧を着ている。

レヴナントの1人はハーフオークのダグマルで、彼女は相手のヒューマン・レヴナントのコージャに一撃を加える。コージャは伏せ状態となり、ダグマルはコージャをその剣で切り殺す。パーティは戦闘のこの最後の部分を目撃し、難易度14【判断力】〈知覚〉判定に成功することで、この攻撃が致命的な一撃であると認識する。しかし、コージャはほんの少しの間だけダウンしたあと、すぐに立ち上がって剣を持ち上げると、戦いに復帰する。

次のラウンドが始まる前に、戦士たちは円の外周にいるキャラクターたちに気づき、彼らに注意を向け、剣はキャラクターたちに向ける。

「「お前らは誰で、なぜここに来た?」」

彼らは声を揃えて質問する。

繋がりの破壊

レヴナントは、相手を打ち負かさなければアンデッドの姿から自由になれないと信じている。フロスト・ジャイアントがストームブリンガーズの入植地を攻撃する数週間前、ダグマルは先制攻撃を提案し、コージャは巨人を誘い込んで自分たちの土地で彼らを倒すよう主張していた。しかし、巨人は居住地を強襲し、どちらの計画もうまくいかなかった。未だにダグマルとコージャは、相手の敗北を非難している。

「我々の義務は守ることだ。そして、失敗した」とダグマルは言う。「われわれは臆病すぎた。正しいやり方を選べないほどに!だから他の者達がやられたのだ。」

「巨人どもをわれらのところにおびき寄せたならば、われわれが優位に立っていただろう」とコージャは言う。「奴らがお前の計画を知らなければ、我々は彼らを出し抜くことができたのにな!」

ダグマルとコージャをレヴナントとして縛り付けているのは、この紛争そのものである。ストームブリンガーズは何よりもまず第一に守護者である。この派閥に加わる者は生涯にわたって訓練に従事し、互いを結びつける儀式に参加する。各戦士は、仲間の戦士を含む他者を守る責任を与えられている。巨人たちが攻撃したとき、ダグマルとコージャは互いを非難して死んだ。これは彼らの魂にある種の呪縛を与え、彼らの確執が終わるまで、互いに衝突する運命を与えたのだ。

キャラクターたちが紛争を解決する手助けをするならば、次の3つの方法がある。

結末

キャラクターたちがダグマルやコージャの霊を解放することに成功すれば、彼らの永遠の戦いは終わり、彼らは眠りにつく。彼らはパーティにブーツ・オヴ・ザ・ウィンターランズを贈る。確執のある戦士たちが死ぬと、2頭のウィンター・ウルフが長屋から逃げ去り、嵐の中に消えていく。