凍りついた記憶

この冒険はブルーメンデルという雪の多い北部の村で行われる。

ほとんどが人間、ドワーフ、そしてオークによって占められているこの町は、どんなキャンペーン・セッティングにも配置できる。「Icewind Dale: Rime of the Frostmaiden(未訳)」で遊んでいるなら、この町をアイスウィンド・デイルの雪に覆われた荒れ地に問題なく配置できるだろう。

それ以外にも、この村をワイルドマウントのグレーイング・ワイルドランズやエベロンのラザール公国の北の島々、テーロスのオラニアド山脈の谷などに配置することが出来る。

冒険の概要

とある有名な冒険者が行方不明になってしまった。

北方の町々を旅して金貨と引き換えに危険な獣を殺すモンスタースレイヤーのエレメイン・ヘムロックは、雪の多い内陸の村ブルーメンデルの近くで仕事を受けた後、姿を消した。

この村は人里離れたところにあるが、この地方の冒険者たちは、凍りついた荒野を探検する際の休憩所として村を利用している。

この村では、遺物、薬、呪文構成要素、快適な宿などの売買が盛んに行われており、冒険者たちに価値があるすべてのサービスが提供されている。

エレメイン・ヘムロックは、近くの山に住むと噂される伝説の獣、白いワイヴァーンを狩りに出かけ、行方不明となった。その白いワイバーンの血は飲んだものを冷気から守り、その毛皮は魔法を反射し、その角は固い鋼鉄をも突き刺すと言われている。ヘムロックは野獣と戦って殺されたと予想されているが、真実ははるかに恐ろしいものだ。

ホワイト・ワイヴァーンが存在するかどうかはDM次第であるが、ブルーメンデルにはとあるモンスターが存在する。それこそがオブレクスである。

ブルーメンデルの人々は、アンダーダークへの入り口が自分たちの町の近くにあることを知っているが、一対のオブレクス―――マインド・フレイヤーの実験によって作られた深紅の、思考を貪り食らうサイキック・ウーズ――がアンダーダークから出現し、町の地下に住み着いたことは知らない。

オブレクスは町の地下水路に隠れ家を作り、ブルーメンデルの人々を食い物にし、コピーで置き換え始めた。この怪物たちは、無定形の体の一部を、彼らが食べた知的生物のほぼ完全な物理的複製に変えることができ、彼らの超能力は、その記憶と人格をほぼ完全に反映することができる。見分けるための特徴は、オブレクスのレプリカと元の体を結びつける深紅の粘液の小さな痕跡が残っており、硫黄の匂いが漂い、炎に対する嫌悪を持つことだけだ。

オブレクスはすでに町の重要な人物の何人かを模倣している。そうして町全体を乗っ取るべく、より多くのオブレクスを生み出している。

エレメイン・ヘムロックの失踪はオブレクスの計画の障害となった。オブレクスたちは彼女を殺した際、彼女が有名な冒険者であることを知らなかった。しかし、今では彼女の失踪は、国中の英雄志願者たちがこの小さな村に群がる原因となっている。

オブレクスたちは、新しいオブレクスを増やして町全体を乗っ取るまで、町の人々を落ち着かせ、侵入者を排除しようとしている。

オプションのアドベンチャーフック:失踪を調査する

あなたのキャラクターたちが遥か彼方の雪の町を調査するためにフックが必要な場合、このアドベンチャーフックを使用できる。

キャラクターたちの友人である別の冒険者は、エレメイン・ヘムロックが失踪したことを聞いて、その真偽を確かめてほしいと頼んでくる。ノームポートの町に住むエレメインの友人は、エレメインを見つけ出した者に2000 gpの賞金を用意しており、もしエレメインの身に最悪の事態が起きていた場合、エレメインを殺した者を生死にかかわらず捕獲してほしいとのお触れを出す。

キャラクターたちの友人はブルーメンデルにコネがある。彼は呪文構成要素の商人で、しばしば冒険者たちを雇っては野外に冒険させ珍しい試薬を見つけてこさせる。

その友人はエレメイン探索のために自ら動こうとはせず、それを尋ねられると次のように言う。 「おいおい、あそこでは多くの人がそこで死んでるんだ。私は行方不明者の事件を解決するために命を危険にさらすつもりはない。けれども、おまえたちは金のためならどんなヤバいことだってやってのける人種だってのは、分かっているつもりだがね。まあ、そういうことだよ!」

ブルーメンデルへの旅

ブルーメンデルへの旅はとても簡単だ。キャラクターたちが野外を移動中に危険を加えたい場合は、ブルーメンデルの海岸と雪原の間の丘を移動するときに、「ザナサーの百科全書」の丘の遭遇(レベル5-10)テーブルを用いるとよい。

村へ到着した際は、アルマンの薬と構成要素の店の近くに着く。(エリア1)

ギレッサ・タルキスというウィザードが、店の外で陽気にキャラクターたちに挨拶し、彼らを町に迎える。薬剤師のアルマン・タルキスは彼女の夫であり、ギレッサは彼らを店に招待して魔法で温めたペパーミントティーをふるまう。

ブルーメンデルの場所

ブルーメンデルの村には、この冒険に関わるエリアが多々存在する。以下のエリアは、次に示すマップに記されている。このマップにはしるしのない場所が多くある。君のキャンペーンに役立つNPCや建物を自由に用意してよい。

村の井戸(エリア5)の下流にある建物は地下室にトイレがあり、川に排水している。井戸の上流にある建物は溜め込み式トイレであり、町の南東にある下水管に排水している。

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ここをクリックすると、しるしのないマップが表示される。このマップはプレイヤーに表示したり、新たな場所を書き足すときに役立つ。

オブレクスのシミュレイクラム。オブレクスがいる場所(エリア1と2)では、かすかに硫黄の匂いがしており、ランプやろうそくのような裸火がない。そのため、これらのエリアの人々は分厚い毛皮を着ている。火がないことについて尋ねられると、ここの人々は、最近いくつかの建物が火事で焼失した話をして、他の建物を火事の危険にさらしたくないと述べる。キャラクターたちがこの偽物たちの主張を疑うならば、難易度15【判断力】〈看破〉判定を行う。

成功すると、彼らは偽物たちが過度に火についての話題を避けていることがわかる。判定が5以上の差で成功すると、彼らはまた、偽物たちがキャラクターたちをやんわり街から追い出そうとしていることに気がつく。

1.アルマンの薬と構成要素の店

冒険者たちがブルーメンデルを訪れる理由の1つは、この薬と構成要素の店である。

アルマン・タルキスという名の錬金術師と、彼のウィザードの妻ギレッサが経営するこの店では、様々な役に立つ薬や呪文構成要素が売られている。ギレッサは偏執的で神経質だが、冒険者たちには親切で、冒険者たちが怪物狩りの依頼について情報を集めるならばルビーの巣(エリア2)を訪れるよう勧める。彼女の常軌を逸した行動は、アルマンに関連した深いトラウマに由来する。(後述の「オブレクス・シミュレイクラム」参照)

建物全体からは強い硫黄の匂いがする。アルマンとギレッサは笑って、呪文構成要素のために作った粉末状の硫黄のせいだと言う。

噂と依頼。アルマンやギレッサに怪物やエレメイン・ヘムロックの情報を求めるキャラクターは、ルビーに向かうよう支持される。ギレッサは悲しそうに、エレメインは白いワイヴァーンを狩る前にここで薬を買っていたことを教えてくれる。

薬と構成要素。キャラクターたちはここで以下の商品を買うことができる。

ポーション類 ポーション価格
ポーション・オヴ・ヒーリング 50 gp
ポーション・オヴ・グレーター・ヒーリング 250 gp
ポーション・オヴ・アニマル・フレンドシップ 125 gp
ポーション・オヴ・クライミング 50 gp
ポーション・オヴ・レジスタンス([冷気]) 250 gp
ポーション・オヴ・ウォーター・ブリージング 250 gp


構成要素 構成要素の価格
クロマティック・オーブ用ダイヤモンド(極小) 50 gp
レイズ・デッド用ダイヤモンド(小) 500 gp
アーケイン・ロック用金粉 25 gp
クレアヴォイアンス用の宝石で飾られた角 100 gp
オーギュリイ用の印のついた棒または骨 25 gp
ウォーディング・ボンド用のプラチナリング 50 gp


オブレクスのシミュレイクラム。ギレッサの亡き夫であるアルマン・タルキスは、善良な皮肉屋の薬剤師として有名だった。悲劇的なことに、彼の鋭い心はオブレクスの最初の犠牲者にぴったりだった。ギレッサは論理的には彼女の夫が仮面を被った怪物にすぎないことを理解しているが、彼女は自分の損失を受け入れることができず、彼女は怪物と協力して、エレメイン・ヘムロックを彼女の死に導いた「白いワイヴァーン」の噂で冒険者たちを荒れ地へ迷い込ませようとしている。

オブレクスの棲家。オブレクスの1体であるマニホールドという成人のオブレクスは、薬屋の地下室に住み、カウンター裏の空気穴を通してその触手を伸ばしている。

地下室は20フィート×30フィートのシンプルな部屋で、地下の川(エリア7)につながる簡易な構造のトイレがある。オブレクスはこのトイレの隣に住んでいる。キャラクターたちが地下室に押し入ろうとすると、マニホールドはアルマンのシミュレイクラムで彼らを防ぎ、その間に川へ逃げようとする。川の中に入れば、体とシミュレイクラムの接続を意図的に切断する。

攻撃された場合、マニホールドは3つの異なるシミュレイクラムを生成することができる:アルマン、エレメイン・ヘムロック、そしてアンダーダークで食べたドラウの戦士だ。

2.ルビーの巣

ルビーの巣は町で一番の宿だ。中年の女性ハーフリングである店主のルビーは、2体目の成体のオブレクスが支配するオブレクス・シミュレイクラムであり、宿のワインセラーでくつろいでいる。

ルビーは陽気な態度を崩さないまま、ブルーメンデルから冒険者を遠ざけようとデマを話す。冒険者たちが町の外の冷たい荒野で凍死することを望んでいるのだ。1階のバーには、2d8人の他の常連客がいつでもいる。そのうち4人はシミュレイクラムであり、店を出ることはない。この店の他の客は山賊のステータスを用いる。

ここではみんな暖かい毛皮を着ている。バーには、ルビーのリクエストにより火がついていない暖炉がある。日中は、バーは窓の光でのみ照らされる。夕方になると、シミュレイクラム以外の客はテーブルの上にロウソクを灯すが、シミュレイクラムは単に暗闇に座るだけである。

料金レート。旅館の部屋は1泊1 gpで、部屋には温かい朝食と夕食がついている。二階に空き部屋が十数部屋ある。

噂と依頼。モンスターやエレメイン・ヘムロックについての噂をルビーに聞いたキャラクターたちは、ヘムロックが居酒屋の常連客にホワイト・ワイヴァーンについて尋ねたこと、町から3日ほど旅したところにあるモニュメント峰にあるとされるホワイト・ワイヴァーンの隠れ家を調査するようにヘムロックが言っていたことを教わる。

ルビーにはさらに多くのモンスター狩りの噂を語るが、それは冒険者たちを町から追い出すための方便にすぎない。モンスター狩りの詳細については、下記の「探検遭遇:モンスター狩り」を参照すること。噂には次のようなものがある。

オブレクス・シミュレイクラム。ルビーの巣の地下にいるオブレクスは、ルビーと4人の客の合計5人のシミュレイクラムを管理している。彼らは過ごした人生の記憶をすべて持っているが、オブレクスに従い、冒険者たちをできるだけ早く町から追い出そうとする。客は次のとおりである。

オブレクスの棲家。ブルーメンデルに潜入した2体目のオブレクスは、グランファルーンと自称する成体のオブレクスで、この宿のワインセラーに住んでいる。ワインセラーにはバーカウンターの後ろにある落し戸からしかアクセスできない。ルビーは誰だろうと地下室に入ることを禁止しており、自分でワインやその他の物資を準備するようにしている。オブレクスは、ルビーと他の4人の客を制御するために、その触手を地下室の落し戸に開けた穴から伸ばしている。

地下室は40フィート×20フィートのシンプルな部屋で、何列も並んだワイン樽と、地下の川(エリア7)につながるシンプルなトイレがある。オブレクスはこのトイレの隣に住んでいる。キャラクターたちが地下室に押し入ろうとした場合、グランファルーンはルビーに騒ぎを起こさせてキャラクターたちを妨害し、さらにアルマンのシミュレイクラムにも応援を要請し、川に逃げ込む。川の中に入れば、体とシミュレイクラムのつなぎを意図的に切断する。

3.リルケの骨董品店

イリア・リルケというエルフがブルーメンデルで骨董品店を経営している。彼女は、何世紀も雪原で古代文明の遺物を捜索してきたため、今は気楽に生活することを好む。にもかかわらず、彼女は冒険者たちが持ち帰った正当な外観の芸術品や宝物に対して非常に興奮し、全額を支払って買い取ってくれる。

今週の後半には、町で売買できない工芸品を積んだカートを輸送し、ブルーメンデルから車で2日ほどのところにある港町の商人や収集家に販売する計画だ。彼女は、カートを山賊とヤング・ホワイト・ドラゴンのスノウテラーから守るためにキャラクターたちを雇うことを提案し、キャラクターそれぞれに500 gpを支払うことを申し出る。

1時間かけて店を探索するキャラクターたちは、難易度20【知力】〈捜査〉判定を行うことが出来る。成功すると、彼らは1,000 gpで購入できる魔法のアイテムを見つける。「ダンジョン・マスターズ・ガイド」のマジックアイテムテーブルFをロールすること。

4.市場

村の中心には、冒険者たちが物資を買えるたくさんの屋台が集まった市場がある。「プレイヤーズ・ハンドブック」第5章に掲載される30gp以下のアイテムはすべてここで手に入る。商人は毎日、日の出に市場に来て、日没に家に帰る。毎晩真夜中になると、1d10体のオブレクスの落し子のグループが井戸から這い出て人々の家に忍び込み、彼らの考えや記憶を食べている。

5.街の井戸

村の市場の中心には、ブルーメンデルの地下30フィートを流れる川からきれいな冷水を引く井戸がある。ロープを伝って井戸を下るキャラクターは、地下の川(エリア7)に到達する。

6.下水道格子穴

ブルーメンデルにはいくつかの格子穴があり、町を流れる川(エリア7)に廃棄物を流している。これらの格子穴はすべて井戸の下流にあり、村の供給水を汚染しないようにしている。これらは、中程度の人形生物が落下するのに十分な大きさである。はしごはなく、下の川まで約30フィートである。

7.地下川

このエリアは地図には載っていない。それはブルーメンデル全体の地下を北西から南東に走っており、地表から約30フィート下にある。この川は20マイル離れたところに水源があり、そこで山腹を下り、雪原を横切って流れ、ブルーメンデルの下を通る洞穴系に流れ込み、最後には町から数マイル離れたアンダーダークへと流れ込む。この曲がりくねった洞窟は幅30フィートで、床は傾斜している。川の幅は約10フィートで、洞窟の真ん中を流れている。その川は氷のように冷たく、水の中でターンを終えるクリーチャーは[冷気]ダメージを1受ける。

50体のオブレクスの落し子が洞窟の壁に沿って並んでいる。キャラクターたちが地下川を探検していると、移動の10分ごとに2d10体のオブレクスの落し子のグループに遭遇する。

落し子たちはねばねばした止まり木からキャラクターたちを待ち伏せする。エリア1、エリア2に住む成体のオブレクスは、それぞれ毎週1d6体のオブレクスを産み、それが川に堆積しているのだ。

真実を学ぶ

キャラクターたちは自由に調査し、探索し、彼らが試みたいことを行い、怪物の居場所の手がかりを見つけようと試みることができる。彼らが真実に近づくと、町に潜むオブレクスは彼らを撃破しようとする(「最後の遭遇:凍りついた記憶」参照)。それまでは、以下のいずれかの遭遇を利用して、さらなる手がかりを与えたり、彼らの調査の危険性を高めたり、次に何をすべきかわからない場合に彼らを行動に駆り立てたりすることができる。

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探検遭遇:モンスター狩り

ブルーメンデルの街は金のためにモンスターを殺したり、怪物の巣を略奪したい冒険者たちの愛すべきたまり場である。ルビー(エリア2参照)が生きていた頃、彼女は貴重な情報の主要な情報源だった。さて、ルビーの巣を運営する現在の「ルビー」は、詮索好きな冒険者たちが町から出ていって、氷原に住む怪物たちに殺されることを望んでいる。

キャラクターたちが町を出ていると、彼らが旅する日ごとに1d20をロールする。13-16ロールでは、日中に遭遇がある。17-19ロールでは、夜に遭遇がある。20のロールで、キャンプ中に彼らを驚かせる遭遇が発生する。「ザナサーの百科全書」の極地の遭遇(レベル5-10)テーブルから遭遇を選択するか、ランダムにロールすること。

その後、キャラクターたちがルビーが指摘したエリアに到着したなら、(存在するなら)噂のクリーチャーを使って戦闘遭遇を作成することができる。クリーチャーが記載されていなければ、遭遇は生じない。そのエリアにどんな宝があるかは、ダンジョン・マスターズ・ガイドの「個人の財宝表:難易度5-10」の表をもとに決定すること。

戦闘遭遇:暗闇の触手

夜、キャラクターたちがルビーの巣で眠っていると、成体のオブレクスであるグランファルーンが、バーの常連客4人と一緒に部屋にいるキャラクターたちの1人を襲撃する。彼らはオブレクスの体の延長であり、キャラクターが気絶状態に落ちるまで記憶を吸い取り、それから彼らを殺そうとする。

オブレクスがこの戦いでHPを最大ヒットポイントの半分に減らした場合、オブレクスは意図的にその体とシミュレイクラムとの間の結合を切断し、それらを深紅の粘体の水たまりにして消滅させる。 

探検遭遇:滴り落ちる排水

町を探索しているキャラクターたちは、下水格子穴の1つに赤い筋がある緑の粘体を見る。この粘体は、前の晩にオブレクスの落し子が町に忍び込んだ際に残された。この粘液を辿って地下川に入ると、エリア7に記述されているように、キャラクターたちはオブレクスの卵の待ち伏せに出くわす。

戦闘遭遇::さまよう山賊

夜間にマーケットや下水道をうろついていると、1d4人の山賊のグループがキャラクターたちを攻撃する。これらの山賊はすべて成体のオブレクスであるマニホールドのシミュレイクラムである。キャラクターたちが町の人を助けに呼ぶと、マニフォルドはその触手を切断し、山賊は深紅の粘体の水たまりになって消えてしまう。

ソーシャル遭遇:消火活動

この遭遇は、誰かがアルマンの薬屋(エリア1)か、ルビーの巣(エリア2)のいずれかで火をつけたときに起こる。キャラクターたちが点火してもよいし、キャラクターたちが近くにいる間に、NPCが気づかず火を付けることでこの遭遇を発生させることも出来る。火がつくとすぐに、そのエリアのオブレクス・シミュレイクラムの1体が必死に火を消そうと急ぐ。その後、急いで謝罪し、近くの建物が最近全焼したことと、ブルーメンデルの街の中で火について皆が少しばかり神経質になっていることを説明する。キャラクターたちがこの疑問を推し進めれば、シミュレイクラムは敵対的になり、キャラクターたちを建物の外に追い出そうとし、退去を拒否した場合には攻撃する。

最後の遭遇:凍りついた記憶

攻撃の背後に誰がいるのかをキャラクターたちが知らないうちにブルーメンデルで数日が過ぎると、オブレクスのマニホールドとグランファルーンは真夜中に隠れ家から出てきて、白いワイヴァーンが隠れ家を作ったとされるモニュメント峰に移動する。翌朝、アルケミストの妻であるギレッサ・タルキスがキャラクターたちのところに来て、町の半ダースの人たちが夫を含めて突然姿を消したと言う。いなくなる前に彼はホワイト・ワイヴァーンがモニュメント峰に向かって飛んでいるのを見たと言っていたそうだ。

2体のオブレクスは、キャラクターたちに先んじてモニュメント峰に移動し、待ち伏せの準備をする。彼らはできるだけ多くのシミュレイクラムを作り、最終決戦の用意をする。オブレクスたちは、これからも平和に記憶を貪り続けて人々を置き換え続けるために、アルマンやルビーのような人当たりのよい人々の声を利用して、キャラクターたちにこの地域を離れるよう説得する。説得がうまく行かないようなら、容赦なく攻撃を行う。

結末

オブレクス・マニホールドとグラファルーンが負けた後でさえ、ブルーメンデルの村は完全に安全ではない。地下の川(エリア7)にあるオブレクスの落し子を破壊すれば、町が新たな精神体の脅威に直面することを防ぐことができる。キャラクターたちがアルマンの薬屋に戻れば、ギレッサは、自分の夫が過去数週間、彼を破壊したサイキックの怪物の単なる操り人形であったという厳しい現実に直面することになる。

一部の村人はキャラクターたちの助けに感謝するものの、大半はどのように感謝すればいいのかよくわかっていない。多くの村人たちは、自分たちがどの程度危険にさらされていたかを十分に理解しておらず、キャラクターたちに対して敵対的でさえあるかもしれない。敵対的な村人たちは、感謝する村人たちよりはるかに多く、キャラクターたちは町から追い出されるかもしれない。もし彼らがイリアと骨董品店(エリア3)で会ったら、彼女は急いで遺物の積荷を集めて、キャラクターたちにキャラバンを守る仕事をするように依頼するかもしれない。誰かが危害を加える前にキャラクターたちを町から脱出させようとしているのだ。