網にかかったシー・トロル

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この戦闘遭遇は5レベルのキャラクターたちに適しているが、より高いレベルのパーティに挑戦するために調整できる。

この遭遇は暗い嵐の日の海岸が舞台となることを意図しているが、砂浜や漁船、その他大量の水がある場所を舞台にすることが出来る。この遭遇ではシー・トロルとして知られるスクラグを紹介する。シー・トロルのステータスは、水泳速度が30フィートで、最大10分間息を止めることができるという点を除けば、トロルと同じである。また、次の攻撃を使用できる。連続攻撃アクションを使用するさい、ひっかき攻撃の代わりにこの攻撃を使用できる。

モルデンカイネンの敵対者大全に掲載されるヴェノム・トロルダイア・トロルなど、いかなるトロルでもシー・トロルにすることができる。たとえば、ダイア・スクラグはダイア・トロルと同じステータスを持つが、水泳速度は30フィートで、最大10分間息を止めることができる。ハープーンの攻撃は、ひっかき攻撃と同じ命中ボーナスを使用する。【筋力】が22(+6)であるため、13(2d6+6)の[刺突]ダメージを与える。

この遭遇は、モンスター・マニュアルに掲載されている「切り落とされても動く手足」の選択ルールを用いる

高レベル。キャラクターたちが少なくとも11レベルの場合、スクラグを3体のヴェノム・スクラグに置き換える。彼らは魔法の鍵を持っている(下記の「魔法の鍵」を参照)。キャラクターたちが少なくとも17レベルであれば、スクラグを3体のロット・スクラグと1体のダイア・スクラグに置き換える。

遭遇の要約

キャラクターたちが海岸を歩いていると、逃げる漁師たちの叫び声を聞き、その近くにシー・トロルを発見する。シー・トロルは漁師が取った魚をたらふく食べている。トロルは戦いを求めている。新たな標的であるキャラクターたちを見つけると、すぐに祝宴をやめてキャラクターたちに侮辱を浴びせ始めて、キャラクターが攻撃してくるように挑発する。トロルが敗北するか、またはキャラクターが逃亡すると、遭遇は終わる。

遭遇のスタート

キャラクターたちは暗く荒れた海岸を移動している。次のことを読んだり言い換えたりすること。

雨が暗い海に降る穏やかな音は、突然の叫びによって乱された。半ダースほどの人々が岸から逃げているのが見える。彼らは網や釣り竿、銛などを持っている。そのうちの一人が息を吸うため足を止めたところで、あなたたちと目線が合う。「シー・トロルだ。」彼女が叫ぶ。「スクラグが海から出てきて、ネットに絡まった。私たちは隣の村から来た。魚を捕まえて、来週あたりに家族で食べるつもりだったけど。でも、八つ裂きにされるくらいならベリーでも食べてたほうがマシだよ。この先には近づかないほうがいいわよ!」

その女性はあなたにさよならも言わず、仲間を追いかけて去っていく。

キャラクターたちが漁師が逃げてきた方向に進んでいくと、シー・トロルが漁網に絡まって、網の中で何十匹もの魚をがつがつ食べているのを見る。キャラクターたちがこっそりと近づかない場合、トロルはキャラクターたちの接近にすぐ気が付く。キャラクターたちが密かに接近する場合は、【敏捷力】〈隠密〉12の集団判定を成功させなければならない。トロルは魚を貪ることに気を取られて下を見ているため、キャラクターたちは遮蔽なしで隠密判定を行うことが出来る。

難易度15【判断力】〈知覚〉判定に成功したキャラクターは、トロルの四肢が12体の太ったヒルで覆われていることに気づく。これらのヒルは休眠状態だが、付着している肢が切断されるとすぐに動き出し、四肢から剥がれる(モンスター・マニュアルの「切り落とされても動く手足」参照)。分離したヒルはキャラクターたちに向かって這い進む。トロルの腕と脚にはそれぞれ3体のヒルがついている。これらのヒルはスタージのステータスを使用するが、次の変更点がある:飛行速度がなく、代わりに水泳速度が40フィートある。

シー・トロルは冒険者たちに気づくと、持っている魚を海水だらけの地面に叩きつける。そうして、岸から流木の板をひっつかみ、その長い爪で板を引っ掻いてガリガリと音を立てる。その音で冒険者たちを追い払おうとする。後退しないならイニシアチブをロールする!トロルは最初のターン、首に結び付けられたきらめく銀色の鍵に手で触れつつ、もう一方の手では板をガリガリとひっかき続ける。その後、キャラクターの1人を侮辱し、魔法の鍵(下記参照)を使ってヴィシャス・モッカリィを唱える。この際の侮辱はパーティメンバーに合わせて調整するべきだが、一般的な侮辱言葉を使用しても良い。
トロルが叫ぶ言葉は巨人語から翻訳すると以下のとおりである。 「お前も漁師みたいにやわらかそうだなあ! この魚みてえに血を流して潰してやろうかあ?」

魔法の鍵

このトロルは魔法の鍵を持っている。これによりボーナスアクションでセーブDC13のヴィシャス・モッカリィを発動させることが出来る。彼は悪口を言いながら、流木の板を爪でガリガリとひっかいたり、板を岩に叩きつけたりするのが好きだ。トロルは巨人語しか話さないが、たとえ目標がそれを理解できなかったとしても、その言葉は痛みを与える。

トロルは狂戦士のように戦い、キャラクターたちが[酸]や[火]のダメージ源を持っていることが明らかになるまで、自らのことを省みずに戦う。再生能力が止められ、HPが20以下になると、トロルは逃げ出す。

結末

シー・トロルが網から逃げると、1日〜6日間潜伏した後、再びこの漁場を襲う。漁師たちはこのことを知っており、キャラクターたちがトロルを追い払ってくれたことに感謝しているが、トロルが後に戻ってくること、そして数が増えているかもしれないことを示唆する。冒険者たちがトロルを殺せたならば、漁師たちは彼らをほめたたえて、町で宴を催す。宴の前に、キャラクターたちに会った漁師の女が彼らを訪ねてきて言う。

「魚の1匹をさばいていたら、内臓に奇妙な指輪が入っていたの。きれいだし、何か価値があるかも。あげられるものはあんまりないけれど、あなた達はこれに値すると思う。」

指輪はリング・オヴ・マインド・シールディングである。

キャラクターたちがトロルを殺したなら、その首から魔法の鍵を奪うことができる。しかし、この鍵は呪われている。使用するためには同調が必要だが、同調したクリーチャーは緩やかに属性が混沌にして悪へと変化してしまい、1d10日ごとに秩序混沌軸か善悪軸に1ステップだけ属性が変化する。この呪いを受けたクリーチャーは、「他人の苦しみが好きで、他人を侮辱したり、相手の機嫌を損ねないと話ができない」という欠点を持ってしまう。

このアイテムに同調したクリーチャーは、リムーヴ・カースや同様の魔法を用いなければ装備を外すことができない。