森の創生
遭遇の理由
この遭遇は、単にドライアドがアニメイテッド・ツリーやトリエントをまるで巨大な鎧のように操作してキャラクターを攻撃する、というコンセプトに基づいて作成された。
なぜ彼らはキャラクターたちを攻撃するのか? それは君たちのキャンペーンの出来事に応じて調整してほしい。
もっともらしい理由として、ドライアドは自らの身を守るため、ちょっとした誤解によって武装した旅の冒険者たちに攻撃を仕掛けるというものがある。
もしかしたら、アイゼンガルド(訳注:ロード・オブ・ザ・リングのオークたちの要塞)のような砦の木材を求めるために、木こりたちが森の木々を切り倒しており、ドライアドたちが森を追いやられているのかもしれない。キャラクターたちが鋼の武器やランタンを手に暗い森の中に足を踏み入れれば、ドライアドは冒険者達が木こりの仲間であると誤解し、攻撃することだろう。
戦闘遭遇:森の創世
この戦闘は、4Lvや11Lvのキャラクターに向いている。出現する敵を調整すれば、さまざまなLvのパーティに対してふさわしいものとなる。
古代の森の真っ暗な茂みの中を旅する中、キャラクターたちは石柱と古代のアーチフェイの像だらけの広場に出くわす。その広場には人形生物の骨が散らばり、周囲には巨大な木々が生える。樹皮のこぶがにまるで不気味な顔のようだ。キャラクターたちが宝を探しに調査すると、この森を守護するドライアドに攻撃される。森の精霊たちは不気味な木に駆け寄ると、樹皮に溶け込み、まるで巨大な鎧のように木を操縦する。
ドライアドたちは、樹木融合という古代樹の秘術を解き放つために、血なまぐさい儀式を用いてきた。彼らは森渡り特徴の代わりに次のような特徴をもつ。
- 樹木融合。自分のターンにおいて、ドライアドは魔法のように間合い内の1本の木やトリエントに足を踏み入れることができる。ドライアドには木の中で完全遮蔽を得る。木は乗騎のように命令に従う。この木が魔法的なものでない場合、アウェイクンド・ツリーとなる。
ドライアドと融合したアウェイクンド・ツリーやトリエントは次のような特徴をもっている。
- 融合された木木。木々はイニシアチブ値を持たない。ドライアドが乗騎やライダーのように命令したときにだけ行動する。ドライアドは自らのアクションと同様に、その木々のアクションを使用できる。
- 二重意識(トリエントのみ)。ドライアドがトリエントと融合すると、彼らの心は一緒に働き、彼らの知覚と反応性を高める。トリエントは、【判断力】〈知覚〉判定、【敏捷力】セービングスロー、朦朧状態にならないためのセービングスローに有利を得る。さらに、1回のターンで2回のリアクションを行うことが出来る。
- 不安定な魔法。木が0のヒットポイントに減少すると、エメラルドグリーンの弧火のように爆発する。木はくすぶった丸太になり、木から10フィート以内のすべてのクリーチャーは難易度14(アウェイクンド・ツリー)または難易度16(トリエント)の【敏捷力】セーヴィング・スローを行う。失敗したら14(4d6)の[火]のダメージを受け、セーブに成功すると半分のダメージを受ける。内部にいるドライアドは、このセーヴに自動的に失敗する。
また、この遭遇は、Tactical Maps Reincarnated(未訳) に付属する以下のマップを使用することで、グリッドルールで遊ぶことが出来る。
遭遇のスタート
キャラクターたちは暗い魔法の森を旅している。次の言葉を読んだり言い換えたりすること
君たちは森の中を歩いている。もつれた枝を押しのけ、下生えを乗り越える。
枝の壁を突き抜けたところで、広場に出た。60フィート上の厚い枝葉を通した木漏れ日が、エメラルド色に光っている。
6本の巨大な木が広場に隣接している。その樹皮のこぶはねじれて、唸り顔のように見える。
幅が大きめの中央の柱の上に古代の像が立っている。そうして、石柱が輪のように配置されて中央の柱を取り囲んでいる。像の首元には金のネックレスがきらきら光っている。
キャラクタの受動【判断力】〈知覚〉値が15以上の場合、または、広場を調べて難易度15【判断力】〈知覚〉判定を成功させた場合は、次の文を読むか言い換える。
石の柱の上から、3人の人形生物が君たちを見下ろしている。体は細く、筋張っており、何百枚もの枯れ葉でできた服を着ている。
ねじれた森の戦い
3人のドライアドが広場に潜んでいる。彼らは自分たちの森に侵入したキャラクターたちを殺そうと考えている。(前述の「この遭遇の理由」を参照)。キャラクターたちが広場を探検し始めても、ドライアドに気づかなければ、ドライアドは不意打ちで攻撃する。
キャラクターたちが不意打ちされている間に、ドライアドはエンタングルを発動しできるだけ多くのキャラクターを巻き込む。その後、彼らは樹木融合を使うために、空き地の端にある木のもとまで走る。ドライアドはまず呪文を唱え、質問にはその後答える。
キャラクタが交渉したい場合は、戦闘中に交渉しなければならない。
広場の柱は高さ30フィートで、固い石でできている。AC17と39のヒットポイントがあり、[精神]や[毒]のダメージを受けない。「攻城モンスター」の特徴を持つクリーチャーは、これらの柱に二倍のダメージを与える。
高レベル。キャラクターが少なくとも11レベルであれば、柱の上は8体のドライアドがおり、不気味な面を持つ木の少なくとも1本は寝ているトリエントである。ドライアドの6人は木と融合しようとし、残りの2人はそのまま戦う。トリエントやアウェイクンド・ツリーになる木の数を変更することにより、この遭遇の難易度を調整して、パーティのレベル・人数に合わせることができる。
戦闘の最初のターンで、ドライアドは空き地の端にある不気味な木に向かって走り、樹木融合を用いて木に融合する。融合に成功すると、ドライアドは攻撃を始める!彼らは死ぬまで戦う。自分たちの森を守ることが彼らの人生の目的だ。
森に危害を加えないことをドライアドに納得させることができれば、彼らは攻撃をやめる。ドライアドは激怒しており、キャラクターたちが森を害さないという証拠がある場合にのみ、その主張を考慮する。証拠が提示されて初めて、キャラクターたちは難易度15【魅力】〈ぺてん or 説得〉の判定をすることができる。キャラクターの証拠が特に説得力のあるものでない限り、判定は不利となる。成功すると、ドライアドは攻撃を中止し、キャラクターたちと話しをする。失敗した場合、彼らは攻撃を続ける。すべてのヒューマノイドは森の汚点であり、追放されなければならないと誓う。
財宝
この広場の唯一の宝物は、広場中心にある古代の像の首にぶら下がっている血まみれの金のネックレスだ。このアミュレットはアミュレット・オヴ・ヘルスであり、ここで行われた血なまぐさい贄に何らかの形で関与していた。
キャラクターがドライアドと交渉して、森林を守ることに同意すれば、褒美としてアミュレットが与えられる。このクエストは、「遭遇の理由」で述べたように、森林を伐採している者たちを阻止することかもしれないし、あなた自身が作ったクエストかもしれない。
結末
この遭遇は、キャラクターたちがドライアドを打ち負かすかもしれないし、あるいは、ドライアドがPCたちが森を通過するのを許すかもしれない。
キャラクターたちがドライアドを信頼するよう説得することで、より前向きな結果がもたらされる可能性もある。ドライアドがキャラクターたちを信頼するようになれば、彼らは自分たちの血塗られた儀式を通して学んだ樹木融合の秘密を共有してくれるかもしれない。
森のフェイであるドライアドはこの魔法を簡単に使うことができる。通常の人形生物がこの魔法を使うのは難しく、自然への得意な同調を持つ者だけがそれを使うことができる。
自然の領域の聖職者、ドルイド、古代の誓いのパラディン、そしてレンジャーなどは、この自作の呪文:樹木融合を学ぶことができるかもしれない。